27歳コールセンターの卵子ドナー体験談

卵子ドナー体験談 — 27歳コールセンター勤務「シェア生活から、自分の部屋へ」

朝9時に出勤して、ヘッドセットをつけて、お客さまからの電話を取る。それを5年、続けてきました。

携帯会社のサポートセンターで、契約変更や料金プランの問い合わせを受けています。優しい方もいれば、最初から声を荒げる方もいます。「○○のせいで損した、訴える」と1時間怒鳴られた日は、家に帰る電車の窓に頭を寄せたまま、何も考えられませんでした。

30歳までに、自立する

地元の高校を出てから、地元の会社で2年働いて、22歳で上京して、コールセンターに入りました。最初は契約社員でしたが、3年目に正社員になりました。

でも、上京してからずっと、同期と1Kのアパートをシェアしていました。家賃を半分こにして、月3万5千円の節約。お互い忙しくて、洗濯物が乾燥機の中で2日放置されているような暮らしでした。

27歳になった春、「30歳までに、ちゃんと自分の家を持とう」と決めました。同期も結婚を考え始めて、別々の道を歩む時期が来ていました。

引っ越しの現実

1人暮らしの初期費用を計算したら、目が点になりました。

「敷金・礼金・前家賃で30万円。引っ越し業者さんで5万円。冷蔵庫・洗濯機・ベッド・ソファで20万円。カーテン・食器・調理器具で5万円…」

合計60万円ほど必要でした。コールセンターの正社員の手取りは月22万円。ボーナスは年に2ヶ月分。同期との生活費を半分こで抑えていても、貯金は120万円ほどでした。引っ越したらすぐに、貯金が半分になる計算です。

「もう少し我慢して、もう半年貯めるか」と思った時、なんとも言えない、重たい気持ちになりました。

休憩時間の検索

サイトを知ったのは、コールセンターの休憩室で、お弁当を食べながらでした。「20代女性 副収入 安全」 — そんなキーワードで検索していました。

たくさんの広告のなかで、「卵子ドナー」というのが、なぜか目に止まりました。最初は怪しい話かと思って、すぐに閉じました。

でも、その夜、家に帰ってから、お風呂で考え事をしながら、もう一度サイトを開きました。「2016年から運営」「女性スタッフ100%」「最大80万円相当のリワード」 — 読み進めるうちに、最初の「怪しい」という印象が、少しずつ変わっていきました。

「迷ってる感じ、よく分かります」

初回のオンライン面談で、私は本当に、まだ迷っていました。「申し込みじゃなくて、相談だけでいいですか」と最初に確認しました。

スタッフの方が「もちろんです。今日は何もお決めいただかなくて大丈夫ですよ。迷ってる感じ、すごくよく分かります」と笑って言ってくれた瞬間、肩の力が抜けたのを覚えています。

結局、4回の面談を重ねて、5月の連休明けに「やってみます」と返事をしました。

シフトとの両立

コールセンターの仕事はシフト制で、平日昼間が中心でした。通院も平日昼間に組んでもらう必要があり、上司に「定期的に通院があります」と相談して、月に2回ほど早退や遅出を認めてもらいました。コールセンターは女性スタッフが多くて、「健康に関わることなら、優先で」と言ってもらえる職場でした。

ホルモン管理の自己注射は、出勤前の朝7時。針が細くて、痛みもほとんどなく、すぐに「歯磨き感覚」になりました。

採卵当日は、有給を3日もらって、土日と合わせて5連休にしました。前日にクリニック近くのホテルに泊まり、当日処置を受けて、ホテルで丸一日眠っていました。火曜の朝、いつも通りヘッドセットをつけていました。

新しい部屋の朝

引っ越したのは、夏の終わり頃でした。1Kの新しいアパート、6畳と小さなキッチン。同期と一緒だった頃と比べると、ぐっと静かな朝です。

朝、新しいベッドで目覚めて、窓を開けて、ゆっくりコーヒーを淹れる。それまでは、洗濯物の干し合わせで気を遣ったり、お風呂のタイミングを譲り合ったり、小さなストレスがいつもありました。一人になって初めて、「自分のペースで暮らす」という言葉の意味を、ちゃんと体感しました。

あの選択は、お金の問題を解決しただけじゃなく、「自分の人生を、自分のペースで進める」きっかけになりました。誰かの家族の始まりに関われたかもしれない、と思うと、不思議と、自分の新しい部屋の風景が、少し温かく感じられます。

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