卵子ドナー体験談 — 28歳介護助手「奨学金80万円を、一括で返した日」
朝6時のシフトの日は、5時前に起きてヤクルトを一本飲みます。まだ街灯が点いている街を歩いて、駅に向かって、6時前に介護施設に着く。利用者さんの朝の起床介助、トイレ介助、朝食の配膳。それを6年、続けてきました。
介護助手の仕事は体力勝負です。利用者さんを抱えて、ベッドから車椅子に移したり、お風呂を介助したり。でも、利用者さんの「ありがとうね」が、いつも私の支えでした。
奨学金、80万円
大学を出て、介護福祉士の養成校に2年通って、就職しました。奨学金を借りていたのは、合計400万円。月々18,000円ずつ、6年返してきて、残額は80万円ほどになりました。
「あと4年弱で完済」と頭では分かっていても、毎月、給料明細から差し引かれる奨学金の額を見るたびに、なんとも言えない、息苦しい気持ちになりました。
介護助手の手取りは月20万円。地方の物価でなんとか暮らしていましたが、貯金は微々たるもの。「奨学金がなければ、もうちょっと自由に暮らせるのに」と、何度思ったか分かりません。
夜勤明けのコーヒー
サイトを知ったのは、夜勤明けの早朝、近くのコメダ珈琲でモーニングを頼んでいた時でした。スマホで「奨学金 一括返済」と検索していて、たどり着きました。
「20代女性のための」という見出しに、最初は懐疑的でした。「楽して稼げる」系の怪しい話だろう、と。
でも、サイトを読み進めていくうちに、雰囲気が違うことに気づきました。「アルバイト」じゃなくて「協力」という言葉。「楽して」じゃなくて「医療機関での処置」という現実的な説明。「最大」じゃなくて「」という慎重な表現。
私はモーニングのトーストを残したまま、最後まで読みました。
介護現場で働く者として
初回相談で印象的だったのは、スタッフの方の質問でした。「お仕事は介護助手さんでいらっしゃるんですね。お身体を使う仕事のなかで、ホルモン管理期間中の体調変化が、お仕事に影響しないかご心配ですよね?」と。
こちらが何も言わなくても、私の仕事の特性を踏まえて、丁寧に向き合ってくれている感じがしました。「介護のお仕事の方は、健康管理に詳しい方も多いですよね」と続けてくれて、「医療機関の医師にも、しっかり相談に乗ってもらえます」と。
3回の面談を経て、決断しました。
シフトの調整
介護のシフトは複雑です。早番(6時)、日勤(9時)、遅番(13時)、夜勤(17時)、明け休み — 月によって変わります。通院日を組むのに、最初は不安でした。
Happiness Egg Bankのスタッフの方に、私のシフト表を共有して、夜勤明けの午前中や、休日に通院を組んでもらいました。「介護のお仕事の方の通院、何度も対応していますので、慣れていますよ」と言ってくれました。
ホルモン管理の自己注射は、夜勤の前、シャワーの後にしました。重いものを持つ仕事ですが、お腹の張りはほとんど気にならず、いつも通り利用者さんの介助ができました。
採卵当日は、シフトを調整して4連休をもらいました。前日にクリニック近くのホテルに泊まり、当日処置を受けて、夕方ホテルでひたすら横になっていました。月曜の早番、いつも通り利用者さんの起床介助に入っていました。
給料明細を見る目
あれから半年。毎月の給料明細を見るたびに、奨学金の引き落としがない欄を確認して、ふっと小さく息を吐いています。
20万円の手取りは、変わりません。でも、自由に使えるお金が、月18,000円増えた。それだけで、毎日の食費も少し贅沢にできて、たまの友達との外食もためらわなくなりました。
ケアマネージャーの試験は、5年目以上の経験が必要です。今28歳の私には、あと2年。それまでに、試験対策の参考書を買って、コツコツ勉強を始めようと思っています。「次のステップ」のために、心に余裕がある状態。それが、卵子ドナーとして関わった経験が、私に残してくれたものです。








