卵子ドナー体験談 — 24歳ファーストフード勤務「医療事務への転職を支えた選択」
高校を卒業して、地元のハンバーガーチェーンで働き始めて、もうすぐ4年です。早番5時起きの日々で、店長と週単位のシフト表をやり取りして、ピーク時間にレジを回して、夜は疲れて帰る。それを繰り返してきました。
「いつまでアルバイトしてるの?」 — 母に言われて、ぐっと言葉を飲み込んだ夜が、何度もありました。
医療事務という選択肢
23歳の終わり頃、ようやく「次のステップに行こう」と決めました。同じ店でずっとパートのままでいる先輩を見ながら、自分はそうなりたくないな、と思ったのが正直なきっかけでした。
選んだのは「医療事務」の資格でした。大卒でなくても受かれて、安定した仕事につながりやすい、と聞いていたからです。学校のクラスメイトで、一足先に医療事務になった子から、「クリニックの仕事はやりがいあるよ」と話を聞いていたのも、決め手の一つでした。
お金の壁
通信講座の受講料が15万円。受験料が1万円。クリニックへの就活で必要なリクルートスーツ・写真・履歴書 — 全部足したら、予算は最低でも25万円近くになりました。
アルバイトの月収は、手取り14〜15万円。家賃と生活費と、たまの友達との外食で、月末にはほぼゼロでした。25万円を貯めるのに、一年以上かかる計算でした。
「もう一年、ハンバーガーチェーンで早番か…」と思った時、なんともいえない疲れを感じました。
友達からの一言
サイトを知ったのは、たまたま遊びに来た友達と、深夜にコンビニで買ったお菓子を食べながら、お金の話になった時でした。「私、こういうの考えてみたことあるよ」と、友達が見せてくれました。
その夜、家に帰ってから、ベッドの中で延々サイトを読みました。読みながら、最初は「自分には関係ないかな」と思いつつ、最後まで読んだ頃には、「これも一つの選択肢だ」と感じていました。
「アルバイトの私でも?」
初回相談で、一番最初に聞いた質問は「アルバイトでも対象になりますか?」でした。スタッフの方は「もちろんです」とすぐに答えてくれて、「ご職業ではなく、健康な20代の女性であることが基本です」と説明してくれました。
面談を進めていくうちに、自分でもびっくりしたことがあります。「お金のためだけに考えていた」つもりが、いつの間にか、「不妊で悩んでいるご夫婦」のことも考えるようになっていたんです。
3回の面談を経て、「やってみます」と返事をしたのは、5月の連休明けでした。
シフトの調整
アルバイトのシフトと、通院の予定を合わせるのは、最初は不安でした。でも、Happiness Egg Bankのスタッフの方が、平日の夕方や土曜日に通院日を調整してくれて、店長にも「歯医者さんで」と言って、無理なく休めました。
ホルモン管理の自己注射は、お店に出る前の朝6時前に。最初の3日くらいは緊張で手が震えましたが、4日目からは「コーヒーを淹れるのと同じくらい」自然な動作になっていました。
採卵当日は、シフトと相談して4連休を作りました。前日に親しい友達に「ちょっと小手術するから、連絡返せないかも」とだけメッセージを送って、クリニック近くの安宿に泊まりました。
制服を脱いだ日
あれから半年が経ちました。医療事務の資格に合格して、地元のクリニックで採用されて、4年間着ていたハンバーガーチェーンの制服を脱ぎました。
新しい職場での1日目、慣れない受付の電話を取りながら、「ちゃんと一歩進めたな」と思いました。お給料は、正直、アルバイトの時とそんなに変わりません。でも、ボーナスもあって、シフトじゃなくて固定の勤務時間で、社会保険に入れる。そういう「普通」を手に入れるのに、20代の前半まるまる使った気がします。
あの選択は、誰かの家族の始まりに関われたかもしれない、という静かな実感と、自分の人生を一歩前に進めた、という確かな手応えと。両方を残してくれました。








