卵子ドナー体験談 — 23歳大学院生「英語留学への一歩」
3年前のあの春、奨学金の通知が届いた日のことを今でも覚えています。「申請が通りました」の文字を見ながら、それでも足りないことが分かっていて、複雑な気持ちで封筒を閉じました。
大学院での研究と並行して、本気でロンドン留学を考え始めたのが、ちょうどその頃でした。
偶然の出会い
SNSで広告を見たのは、夜中に研究室から帰る電車の中でした。「20代女性のための」という言葉に、なぜか目が止まりました。最初は深く考えず、ホームに戻って忘れてしまうつもりでした。
でも、その夜、なかなか眠れませんでした。「卵子ドナー」という言葉が頭から離れなくて、結局スマホでサイトを開きっぱなしにして朝を迎えました。
翌週、思い切ってお問い合わせフォームに記入しました。送信ボタンを押すまで、何度もカーソルを動かしました。
初回カウンセリング
初回はオンラインでした。「決断は焦らず、ゆっくりで大丈夫ですよ」とスタッフの方が言ってくれた瞬間、肩の力が抜けたのを覚えています。
そのあとも、カウンセリングは2回ありました。1回目で身体への影響を聞き、2回目で家族にバレない仕組みを聞き、そして3回目に「やってみたいです」と自分の口から言えました。
処置までの2ヶ月
本登録から処置までは、ちょうど2ヶ月でした。ホルモン注射の自己注射は、最初の3日くらいまでは緊張していましたが、4日目からは「歯磨きみたいな日課」になっていました。
採卵当日は、朝6時起き。麻酔から目が覚めたら、もう全部終わっていました。回復室で出されたお茶が、すごく美味しかったのが印象的でした。
ロンドンの空の下で
今、私はロンドンの大学院で勉強しています。寮の窓から見える夕焼けを眺めながら、たまに3年前のあの夜を思い出します。
「不妊で悩んでいるご夫婦が日本にいる」ということと、「自分が留学したい」ということ。一見、まったく関係ない二つのことが、あの選択でつながりました。
誰かの家族の始まりに、自分が関われたかもしれない。そう思える時間が、留学の毎日のなかで、ふと心の支えになることがあります。

